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5.2.3 局所的追加学習の実験結果および考察

   figure498
図 5.10: 局所的追加学習のグラフィック

5.10A,B,Cの三つのパターンを学習しているネットワークに未知パターンaを外部入力した時の追加学習される様子を示している。局所的追加学習の実験でも広域的追加学習の実験と同様の実験を行なった。図は tex2html_wrap_inline1890 の間はaを外部入力し、 tex2html_wrap_inline1894 の間はAを外部入力し、 tex2html_wrap_inline1898 の間はaを再び外部入力した時のニューロンの出力をグラフィックで表している。また同様のことをグラフで表すと図5.11となり離散ステップ時間ごとの方向余弦を表している。図5.11よりt=10で方向余弦が1になり入力されたパターンaを想起している。そして再びaが入力されると既知パターンAを入力した時と同じ動作、入力パターンのみを想起する動作をした。このことよりt=100の時点ではパターンaが既知パターンとなっており、t=49までに追加学習されたことが確かめられた。このことは図5.10のグラフィックを見てもt=10でネットワークは安定し、t=100の時点ではパターンaが追加学習されていることが分かる。

   figure508
図 5.11: 局所的追加学習

   figure516
図 5.12: 局所的追加学習 ノイズ付加

5.12は入力パターンにノイズが12個(24.49 tex2html_wrap_inline1878 )存在する場合の追加学習される様子を示ている。ノイズパターンの方向余弦は0.510であった。入力された未知パターンにノイズが存在しても、t=33で方向余弦が1になり正しいパターンaを想起している。そして再びノイズの付加されたaが入力されると、ノイズの付加された既知パターンAを入力した時と同じ動作、正しい入力パターンのみを想起する動作をした。このことよりt=100の時点ではパターンaが既知パターンとなっており、t=49までに追加学習されたことが確かめられた。図5.12ではノイズの付加された既知パターンAを入力した時に方向余弦が1でないところがあり、パターンの一部が反転しているところがあった。Aはノイズがない状態で学習しているためにノイズが付加されている時に追加学習したaよりも学習が弱いと考えられる。なぜならノイズが存在するとその分正しいパターンaを想起するまでに時間が掛かり、結合荷重の変化が大きくなり、再びノイズが存在するパターンが入力されても正しいパターンをすぐに想起できるような学習をするためである。そのため、そのパターンを強く学習すると考えられる。

5.13は入力パターンに欠落が34個(69.39 tex2html_wrap_inline1878 )存在する場合の追加学習される様子を示している。ノイズパターンの方向余弦は0.306であった。入力された未知パターンに欠落が存在しても、t=30で方向余弦が1になり正しいパターンaを想起している。そして再び欠落が付加されたaが入力されると、欠落が付加された既知パターンAを入力した時と同じ動作、正しい入力パターンのみを想起する動作をした。このことよりt=100の時点ではパターンaが既知パターンとなっており、t=49までに追加学習されたことが確かめられた。

   figure526
図 5.13: 局所的追加学習 欠落付加

次に局所的追加学習の相違度と認識率の実験は、広域的追加学習の実験と同様にした。その結果を図5.14に示した。その結果から広域的追加学習の実験と同様に、認識率は相違度が真ん中あたりが一番良く、しきい値により認識率が大きく違い、しきい値により学習する割合を調整することが出来る。局所的追加学習の認識率の方が広域的追加学習の認識率より悪いが、その分少しぐらいのノイズでは新しいパターンと認識しないので、ノイズに対して強いことが分かる。また認識率が急峻に変わるので、しきい値による、学習する割合の調整がしやすい。

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図 5.14: 局所的追加学習の相違度と認識率



Deguchi Toshinori
1998年03月18日 (水) 13時22分42秒 JST