逐次学習法の条件式では、不応性項は相互結合項と和をとっている。 不応性項と相互結合項には密接な関係がある。 ところで、本研究の規格化では、標準最大値が結合荷重に多大な影響を与える。 標準最大値が小さくなると、全ての結合荷重の絶対値は小さくなる。 結合荷重の絶対値が小さくなることは、相互結合項の絶対値も小さくなる。 このことが学習能力に影響したと考えられる。 学習能力を落さずにより小さな標準最大値で規格化を行なうには、 不応性項を変化させればできる可能性がある。 不応性項は、係数である の影響を大きく受ける。 従って不応性係数 を変化させることを考えた。
高木の報告 [7] では、効率の良い学習のためには、 不応性係数 は小さ過ぎても大き過ぎても学習できなくなり、 本研究と同じ環境では 1.0 から 3.0 までの間で効率良く学習できるとしている。 高木の報告を元に と とし、 26個の大文字アルファベットパターンを結合荷重の規格化を行ない学習させた。 図 5.12 に 、図 5.13 に での結果を示す。
図 5.12 では、標準最大値 と、 小さな値でも全てのパターンを学習することができた。 また 図 5.13 では、標準最大値 と、 大きな値でなければ全てのパターンを学習することはできない。
また、 をパラメータに標準最大値と、 40セット終了時の学習成功数の特性をとったものが図 5.14 である。 図 5.14に注目すると、 標準最大値 が小さいと学習成功数に大きな違いは現れないが、 大きくなるにつれ不応性係数 が小さいものほど学習成功数が 増えていることが分かる。