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Next: 参考文献 Up: 無題 Previous: 5.3.5 学習過程の実験

第6章 結言

逐次学習法を用いてその学習の特性を検討した。

使用したパターンはアルファベットパターン、 ランダムパターン、意図的に作成した単純なパターンである。 アルファベットパターンの学習実験においては52個のパターンすべてを学習に成功するこができた。また、そのノイズ特性をとり、覚えるパターン数が少ないほどノイズに強いことが分かった。

ランダムパターンの学習実験においては、相関値のことなるパターンをいくつか用意し学習させた。その結果、相関が大きいものは小さいものに比べて、少ない学習でより多くのパターンを学習することができ、また、相関が小さいものは繰り返し回数が大きくなったときには単位学習回数あたりの学習できるパターン数が多くなっている。つまり、このランダムパターンの学習では相関が大きいものは学習回数の少ないときの学習が得意で、相関が小さいものは学習回数が大きくなったときの学習が得意であることが分かった。覚えるパターン数はアルファベットパターンと比べて少ないものとなった。 このことからパターン間の類似性だけではなく相関値の分散がある程度 必要になるものと思われる。

また、ランダムパターンの学習の結果によって得られた相関値の大小による学習の行なわれ方の違いは、パターンの相関値の分散が小さい場合のものであり、アルファベットパターンの学習のようなパターン間の相関値の分散が大きくなってくると、ランダムパターンのように単純な学習の行なわれ方でないことが分かった。

ここで、意図的に作成した単純なパターンを用いて学習のされ方の実験では、学習は相関の大小で学習が行なわれていくのではなく、似たパターンのグループで学習が行なわれていくと思われる。グループの中でパターンの数が多い、または相関が大きいものほどグループ内の学習が速く進む。その中で一つ学習ができるとそのグループ内の他のパターンの学習は進みにくくなる。また、このグループは重なることができることが分かった。

謝辞

最後に、本研究を進めるにあたり、本科での卒業研究から三年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝いたします。また、同研究室において共に学んだ岩佐要氏、高木潤氏、長江吉彦氏に感謝いたします。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 26 15:23:22 JST 2001