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曖昧性の問題

曖昧性は、形態素解析や構文解析のレベルでも頻繁に発生する。例えば

\fbox{「絶対値が上がる」}

という文字列は

\fbox{(相対値ではない)絶対値 が 上がる}

という解釈と

\fbox{絶対(に) 値(段) が 上がる}

という解釈が可能であり、そのどちらが正しいかは「絶対値が上がる」の周囲の文脈を参照しなければ決定できない。

さらに、語の意味や役割の解釈における曖昧性も存在する。例えば、「CD」は、「コンパクトディスク(CompactDisc)」 を表すこともあれば、「チェックディジット(Check Digit)」などを表すこともある。

このように、人間にとっては、一見して解釈が明白に思える文章も、意味や文脈を完全に把握することの できないコンピュータにとっては曖昧性の高い文章であることがある。このことが、コンピュータで 自然言語を処理する上での難しさとなっている。



Deguchi Lab. 2010年3月5日