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第8章 まとめ

この研究では、カオスニューラルネットに時系列信号を学習させることを試みた。 時系列信号に音楽を使うことで、教師信号に完璧に近付かなくても、 少しアレンジされた曲が出力されるのではないかという期待がされた。

しかし、入力層に10音入力した時は、 教師信号である蛙の合唱を完璧に覚えることができた。 しかしこの結果は、教師信号の長さ(29音)に対して、 10音もの入力を与えたからであり、普通のニューロンでもできることがわかった。

そこで、普通のニューロンでは絶対に不可能である1音の入力による学習を試みた。 この研究で使用している3つの学習定数の最適な値を決定するには、 tex2html_wrap1442 回の実験が必要であり、それを行なうことは無理なので、 3つの学習定数の最適な大小関係を6回の実験で測定した。 そして学習中に変化させることでより良い学習を行なえることがわかった。

この実験で1番誤差の小さかった時のパラメータを使いカオスニューロンに 出力をさせてみると、教師信号と全く同じではないがその特徴を持った目新しい 曲が出力された。まだ曲と呼べるようなものではないが、改良すれば改善される余地は 十分あると考えられる。

今後改良できることとして次のことが考えられる。

これらのことを実現することは難しいことではないと考えられる。 たとえば、入力層を音階の数にして鳴っている音を発火させ実際の時間で変化させれば 和音や伴奏も考慮できると考えられる。これは素子数が増えるので学習に時間が かかるがコンピュータの進歩により改善されると考えられる。

謝辞

最後に、一年間本研究を進めるにあたって終始多大なご指導をいただきました 出口利憲先生に深く感謝いたします。

また、同研究室において共に学びあい、 英語を教えてくれた 國枝博希君、 UNIXのことやプログラムの高速化など有益な助言をしてくれた 畑中誠君、 山田樹一君に厚く御礼申し上げます。



Deguchi Toshinori
1999年03月23日 (火) 15時43分49秒 JST