本研究では、非対称なシナプス結合を持つネットワークに処理を加え、 対称なシナプス結合を持つネットワークを作る。 そこで、対称的なシナプス結合を持つネットワークの利点を述べる。
ニューラルネットワークでは、 2.4 節で述べたようにエネルギー関数が存在する。 ネットワークに学習を行なうということは、エネルギー関数に極小点を作りだし、 想起するということは、ネットワークのエネルギーを極小点に収束させることである。 ホップフィールドネットのように対称なシナプス結合を持つネットワークは 必ず極小点に収束するという特徴がある。 しかし、非対称なシナプス結合を持つネットワークでは 周期的な状態に収束してしまうことがある。 ホップフィールドネットは学習効率が悪いとされているが、 ネットワークが必ず収束するという点では優れている。