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エネルギー関数

  ホップフィールドによるモデルにおいて、対称的なシナプス結合を持つネットワークにおいて、エネルギー関数が存在し、ニューラルネットワークはこのエネルギー関数を減少させるように動作することが示された [4]。 対称的な結合を持つニューロンの振舞いは、ちょうどなめらかな曲面を転がるボールが最後には曲面のくぼみで止まるようにエネルギー関数の極小値に収束するように振舞う。 エネルギー関数のイメージは、図 2.6 である。 A点、B点のように関数の極小点が曲面のくぼみの役割となり、ネットワークの収束点となる。

   figure82
図 2.6: エネルギー関数(イメージ)

エネルギー関数はニューラルネットワークの構造や、シナプス結合の分布によって異なるが、一般にエネルギー関数は多くの極小値を持つ多安定関数となる。 先の例で、極小点がそれぞれ記憶している内容だと考えると、ボールが転がっているとき、すなわち関数が収束に向かっているときは記憶を思い出そうと想起していることになる。 この様な連想記憶メモリの想起による検索時間は記憶数によらず一定であるため高速の読みだしが可能である[2]。



Toshinori DEGUCHI
2003年 4月23日 水曜日 17時51分42秒 JST