next up previous contents
Next: 結合荷重の分布 Up: 実験結果 Previous: 実験方法

量子化幅による学習への影響

先の実験では、量子化幅は1、5、10の3種類のみであった。 そこで、量子化幅をいろいろな値に変えた時に学習成功数がどのように変化するかを 調べる。 先の実験結果から量子化処理はすべての学習が終った後に加える。 学習が終了したネットワークに結合荷重の量子化を加えたネットワークの 学習成功数は図 6.3 のようになった。

   figure354
図 6.3: 量子化幅による学習成功数

横軸が量子化幅であり、縦軸が学習成功数である。 この結果より、ある程度までは、結合荷重の量子化を行なっても パターンを学習することが可能であるが、 量子化幅を大きくし過ぎると学習成功数は減少することが分かる。

従来の相関学習で26パターン学習する際、 結合荷重は26から-26の間の値を取り、 取り得る値の数は最大で27個となる。

結合荷重の量子化を加える前のネットワークの結合荷重の取り得る値の範囲は、 -20.95から20.65の間であった。 結合荷重の最小変化量が0.05であるため 結合荷重の取り得る値の数は800個以上になっている。 このことから、逐次学習法によって得られた結合荷重を 量子化幅2で量子化したものと従来の相関学習で学習したものとは結合荷重の条件は ほぼ同じになる。 図 6.3 を見ると量子化幅2でも26パターン学習できていることが分かる。

これらのことから、逐次学習法によって学習を行なったネットワークに 量子化を加えて結合荷重の取り得る値の数を減らしても 従来の学習法に比べ遥かに学習できているといえる。 そのため、逐次学習法によって得られる学習能力は 結合荷重の取り得る値の数が多いことが原因ではないといえる。



Toshinori DEGUCHI
2005年 2月17日 木曜日 19時40分14秒 JST