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ニューロンモデル

神経細胞であるニューロンの構造図を図 2.1 に示す。

   figure15
図 2.1: ニューロンの構造

その構造は本体である細胞体、入力面となる樹状突起、出力面である軸索からなる。 軸索は多数に枝分かれしており、 その末端部分は球状になって他のニューロンの細胞体や樹状突起に付着している。 この付着した部分はシナプスと呼ばれる。

一般に細胞にはそれを包む細胞膜の内外では電位差が存在する。 ニューロンも同じである。 細胞膜の一点で電位差が起こると、その変化は細胞膜を伝わっていくが、遠くなるほど膜電位の変化は小さくなる。 しかし軸索の細胞膜は、もし電位差変化が十分に大きいとパルスを発生し、その電位差は減少することなく伝わっていく。 そして、出力されたパルスは他のニューロンの入力となる。 これらの性質はニューロンの基本的な性質であり、この性質から提案されたニューロンモデルが図 2.2 のマッカロとピッツのモデルである [2]。

   figure25
図 2.2: ニューロンのモデル

この図の tex2html_wrap_inline1189 は対象となる i ニューロンからの入力であり、1か0かのパルス信号である。 また tex2html_wrap_inline1193i 番めのニューロンからのシナプス結合の強さであり、結合荷重と呼ばれる。 tex2html_wrap_inline1193 が正であれば興奮性シナプスを表し、負であれば抑制性シナプスを表す。 入力が1か0なので他のニューロンからの入力があった時、ニューロンの内部状態は tex2html_wrap_inline1193 変化することになる。 また、結合していない時の tex2html_wrap_inline1193 は0となる。 tex2html_wrap_inline1203 はしきい値と呼ばれるもので、ニューロンの興奮のしやすさを表す。 内部状態がこの値を越えるとニューロンは興奮し、この値以下であれば興奮しない。 yはニューロンの出力である。 以上のことをもとにニューロンの興奮の条件を式に表すと次式のようになる。

   eqnarray33

式(2.1) において、uは膜電位、もしくは内部ポテンシャルと呼ばれる。 各入力と結合荷重との積の総和がしきい値を越えたとき、ニューロンは興奮する。 ニューロンモデルの各入出力は1もしくは0の値であり、1はニューロンが興奮している状態、0は非興奮状態である。 また、出力関数は次のように与えられる。

  equation42

また、そのグラフは階段関数であり、図 2.3 となる。

   figure51
図 2.3: 階段関数



Toshinori DEGUCHI
2005年 2月17日 木曜日 19時40分14秒 JST