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相関学習法と逐次学習法の違い

現在までのサーチアクセスに関する研究に用いられていた相関学習法と 新たに用いる逐次学習法の違いは次の通りである。

第1に相関学習法と逐次学習法は、学習し、想起するという動作は同じであるが、 学習と想起の関係が異なっている。 相関学習のモデルではあらかじめ学習させたいパターンをネットワークに与えて 結合荷重を変化させる。 そして想起させる場合には、その結合荷重を用いて想起を行なう。 つまり、学習を行なう過程と想起を行なう過程が別になっているのである。 それに対し、逐次学習法では学習と想起は同時に行なわれる。 実際の人間でも物を覚えるのと思い出すのが別々に行なわれることは無いのと 同じ事である。

第2に、相関学習法のモデルでは、連想記憶を用いた相関学習により 常に全てのニューロンが学習を行なうが、逐次学習法では、 ある学習条件を満たしたニューロンしか学習を行なわない。 これにより、従来は互いのニューロンの間で結合荷重が対称であったが、 逐次学習法では結合荷重はそれぞれのニューロン間で非対称となる。 人間で言えばAの物からBの物は思い出しやすいが、 逆にBの物からAの物は思い出しにくいということがあるからである。

以上のことから逐次学習法の方が相関学習法より、 人間に近い考え方をしていると言え、よりよい実験結果が望まれる。



Toshinori DEGUCHI
2004年 3月22日 月曜日 09時50分50秒 JST