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4.1 目的と実験方法

 

毎回の学習の際にパターンにランダムにノイズをのせても、 カオスニューラルネットワークは時間的な総和をとるため、 学習は成功することはわかっている。 ノイズののった入力を与えた時、学習の効率を左右する不応性の項の係数である tex2html_wrap_inline1002 の値を変化させた場合、学習成功数はどのように 変化するのかを調べることが本研究の目的である。

学習させ、想起させるパターンにはアルファベットを用いている。 このアルファベットは、縦と横がともに7ドットで全ドット数が49である。 このパターンを次の4.2節に示してある。

学習法として、逐次学習法を用いている。 この逐次学習法については3.2節で述べている。 この学習法を用いる理由は過去の本研究室の研究により 従来の相関学習よりも効率が良く、学習に向いていることが わかっているからである。

実験では、入力するノイズの数と tex2html_wrap_inline1002 という パラメータを変化させている。 実験では1と-1を反転することでノイズを表している。 入れるノイズの数を変化させた場合、学習成功数はどのように 変化するかを調べる。

tex2html_wrap_inline1002 は不応性の項の係数である。 この tex2html_wrap_inline1002 を変化させることにより学習の効率が変化する。 なぜ効率が変化するのかというと、3.2節で述べたように、 結合荷重は不応性の項と同じ 大きさになるまで変化するからである。 そのため、不応性の項の変化量が大きいか小さいかで 結合荷重を変化させる量が変わっていく。 不応性の項の大きさに関わる tex2html_wrap_inline1002 が大きければ、 結合荷重をたくさん変える必要があり、 学習回数が増えるのである。 逆に小さければ、結合荷重を変化させる回数が減るので、 簡単な学習をしただけで終ってしまう。



Deguchi Toshinori
Wed May 15 13:12:15 JST 2002