5.1節での結果から、ノイズの数が10個の場合に26通り全てを想起 させることはできないのだろうかという疑問がでた。 人間の場合は、学習をより成功させるためにはたくさん学習すれば良い。 そう考えて、学習回数をこれまでの50回から、100回に増やして 実験してみた。この時、学習成功数の変化を詳しく知るために、 の 測定幅を0.01きざみにする。
まず、学習回数が50回の時のグラフを図 5.6に示す。
次に、学習回数を100回にして実験を行なった。 この結果を図 5.7に示す。 図 5.6と図 5.7を比較する。 これらから、ノイズが0個の場合、 が7〜9までのときにおいて、 学習成功数が増えている。 学習成功数が増えることがわかったので、 ノイズを10個にして実験する。 まず、学習回数が50回の時のグラフを図 5.8に示す。 次に、学習回数を100回にしたグラフを図 5.9に示す。 ここで、 の測定の幅を0.1として測定した図 5.2 のノイズの数が10個である場合のグラフと の測定の幅を0.01とした図 5.8とを比較してみると、 図 5.8において が1.6程度のときに学習成功数が26個に なっている場合があることに気づく。 これは の測定幅を細かくとったので、全て学習できる点を 見つけることができたからである。 どちらにしてもノイズが10個であるときの学習成功数の 変化を表すグラフには違いないので、 ここでは、 の測定幅を0.01としたときの 学習成功数の変化について考えることにした。 図 5.8と図 5.9を比較する。 が1〜2までの間で学習成功数に変化が見られる。 予想と違い、学習を100回行なった方が学習成功数が減っている。 ノイズを10個いれたということは、 全体の約 のドットが間違っているということになる。 学習回数を100回にすることで、 ノイズ入りの間違ったパターンを用いて何度も学習してしまうので、 想起して欲しいパターンを入力しても連想できなくなって しまっていると考えられる。 以上により、ノイズが10個の場合には、0個の場合とは逆で 学習成功数は減ることがわかった。
図 5.6: ノイズ0個、学習回数50回の時の学習成功数の変化
図 5.7: ノイズ0個、学習回数100回の時の学習成功数の変化
図 5.8: ノイズ10個、学習回数50回の時の学習成功数の変化
図 5.9: ノイズ10個、学習回数100回の時の学習成功数の変化