このような自然言語処理技術の精度を実感するには、自然言語処理の代表的なアプリケーションである機械翻訳システムを使ってみると良い。いろいろな文、特に長文を入力してみると、意に沿うような翻訳結果が得られない場合が多い。
しかし、それでもコンピュータによる自然言語処理には意義がある。第一に、人間ではできない膨大なデータを処理することが可能である。例えば機械翻訳であれば、何十万語というレベルの訳語辞書を備えることで、難解な専門用語まで正確に訳出してくれる可能性がある。
このように、膨大なデータを高速に処理し、かつ大規模の辞書を扱えるという機械の得意な部分と、柔軟な解釈が可能という人間の得意な部分は異なる。したがって、コンピュータによる自然言語処理の難しさを踏まえ、完全な精度が期待できないことを前提とした上で機械の得意な部分を活かすことが、テキストマイニングで有効な結果を出すために重要である。