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6.2.2 初期入力の変化による想起結果

   figure368 [MIDI]
図 6.3: ニューラルネットの出力

   figure376
図 6.4: 反転した値を入力したときの成功数

ランダムに与えた2値のデータがフレーズの違いを判断しているのであれば、 その値が違ったものなった時どうなるかを調べるために、 入力層の初期状態をいくつか意図的に変化させて入力し、 ニューラルネットの想起する曲の変化を測定する。

その方法として次のような実験を行なう。 0, 1の値が割り当てられている入力層は全部で28個あり、 例えばそのうち4つを反転させるとすると、1番目から4番目、 次に2番目から5番目という順に反転を行なう。 この全ての場合において教師信号と同じ曲を想起できていれば、 想起成功数は24個となる。 これを全個数の場合について図示したものが図6.4 のようになる。 この図より、単に反転しただけで想起がずれるわけではなく、 最初にある値のうち一部分が違うことによって、 別の音符であると認識してしまい、出力が違うものになると思われる。 また完全に想起出来ていない曲は、音符を示す値は変化しておらず、 曲の始まりがずれているだけなので、 シフトしてやれば元の曲を再現することができる。 これは与えられた入力が最初に与えられた データともっとも近いものを判断し それに対応した曲の値を出力しているからであると思われる。 即ちこの実験から曲の値を持つ部分よりも、 ランダムに与えられたデータの方が ネットワークの状態に大きな影響を与えるといえる。



Deguchi Toshinori
Wed Feb 21 11:55:53 JST 2001