[MIDI]
図 6.3: ニューラルネットの出力
ランダムに与えた2値のデータがフレーズの違いを判断しているのであれば、 その値が違ったものなった時どうなるかを調べるために、 入力層の初期状態をいくつか意図的に変化させて入力し、 ニューラルネットの想起する曲の変化を測定する。
その方法として次のような実験を行なう。 0, 1の値が割り当てられている入力層は全部で28個あり、 例えばそのうち4つを反転させるとすると、1番目から4番目、 次に2番目から5番目という順に反転を行なう。 この全ての場合において教師信号と同じ曲を想起できていれば、 想起成功数は24個となる。 これを全個数の場合について図示したものが図6.4 のようになる。 この図より、単に反転しただけで想起がずれるわけではなく、 最初にある値のうち一部分が違うことによって、 別の音符であると認識してしまい、出力が違うものになると思われる。 また完全に想起出来ていない曲は、音符を示す値は変化しておらず、 曲の始まりがずれているだけなので、 シフトしてやれば元の曲を再現することができる。 これは与えられた入力が最初に与えられた データともっとも近いものを判断し それに対応した曲の値を出力しているからであると思われる。 即ちこの実験から曲の値を持つ部分よりも、 ランダムに与えられたデータの方が ネットワークの状態に大きな影響を与えるといえる。