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ニューラルネットワークの協調と競合

  脳において、情報は多数のニューロンによって並列的に処理されている。 並列情報処理系では、各素子に上から命令を与えているわけではないが、 各素子が相互に作用を及ぼし合いながら、全体として意味のある情報処理を 進めていく。 この情報処理の原理として考えられるのが、競合と協調である。 この時、互いに矛盾しない情報を有する素子同士は、相互に協調してその情報を 保持しようとする。 一方、互いに矛盾した情報を有する素子間では競合が起こり、その結果どちらか 1つの情報のみが選び出される。

これを2つのニューロンモデルを結合した例で考えてみる。 w>0 (興奮性シナプス)であるとき、一方のニューロンが興奮すると、接続された ニューロンも膜電位が上がり興奮しやすくなる。 そのため、2つのニューロンは同時に興奮状態になりやすい。 これを、ニューロン間の協調作用という。 また、w<0 (抑制性シナプス)であるとき、一方のニューロンが興奮すると、 接続されたニューロンの膜電位は下がり、興奮しにくくなる。 この時、2つのニューロンは同時には興奮しにくく、どちらか一方のみが興奮する。 これを、ニューロン間の競合作用という。



Deguchi Lab.