next up previous contents
Next: カオスニューラルネットワークモデル Up: 実験背景 Previous: 実験背景

実験目的

  逐次学習を行うと学習が完了した後、学習をより強めるために再び学習が始まる。 しかし、それによって入力されたパターンに対する学習が強まる一方で、長く学習を続けていると、過去学習に成功したパターンに対する忘却が起こり得るのではないかという推論が挙がった。 そこで本研究では、学習回数を極端に増加させ、その学習の過程で忘却現象が見られるであろうという予測の元に、ネットワークの状態と忘却現象の因果関係を検討する。

学習に成功したパターンの想起は通常速やかに行われる筈であるが、時としてネットワークは一度覚えた筈のパターンを想起できなくなることがある。 過去の研究においても見られたこの現象には不応性項が関係している。

逐次学習法を用いている為に、ネットワークの内部パラメータの一つである不応性は常に変化している。 故に一度学習を完了した後であったとしても学習が起こり得る。 それによって結合荷重が変化し、一つのパターンに対する学習が強まったがために、その時学習が強まっていない別のパターンを忘れると推測された。



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時24分52秒 JST