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実験方法

  本研究で行う実験では、カオスニューラルネットにパターンを入力し、逐次学習法を用いて学習を行い、想起できるかを調べるという方法をとる。 この際に、学習成果の移り変わりを人間の視覚に判りやすくするために、7×7の英数字パターンを用いる。

学習させるパターンをカオスニューラルネットに入力する時はまず、一つのパターンを連続して50回入力する。 そして次のパターンを同様に50回入力し、これを全ての入力パターンにおいて行い、パターン入力が一巡したものを1セットの単位とする。 これまで本研究室では数十セットの入力にて学習を行っていたが、本実験では過去に比して非常に大きな学習回数として3000セットの入力を設定した。

ネットワークの学習で相互結合項が変化するのは、外部入力パターンが変化し、その影響で外部入力項の符号が反転した時である。 その後、カオスニューロンの出力は速やかに出力と同符号になる。 この時、個々のニューロンの相互結合項が外部入力と同じ符号になれば、相互結合項は素早く変化する。 これは同じ結合を持つ通常のニューラルネットを外部入力パターンで初期化すればそのパターンを自己想起できることと同じである。

そこで、学習が成功したかを確認するには、同じ結合荷重の配分を持つホップフィールド型ネットワークを用いる。

ホップフィールド型ネットワークは相互結合型ネットワークの一種で、全ニューロンが互いに結合しているニューラルネットワークである[6]。 各ニューロンは次式に従って動作する。

  equation303

通常、各ニューロンは非同期的に動作するが、本研究においてカオスニューラルネットワークは同期的に動作するため、今回用いるホップフィールド型ネットワークも同様に同期的に動作させる。

逐次学習の後、このネットワークへ学習させたパターンを入力し、パターンが想起できるかをチェックする。 入力パターンと出力パターンが同じであれば学習に成功したということになる。



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時24分52秒 JST