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ニューロンモデル[1]

  生体のニューロンが有する性質のうち、多入力による荷重特性と発火の閾値作用に着目して工学的にモデル化したものを図2.2に示す。 これはマッカロ(McCulloch)とピッツ(Pitts)が提案したニューロンモデルである。

   figure24
図 2.2: ニューロンのモデル

この図の tex2html_wrap_inline1244 は対象となるニューロンのi番目の入力であり、0または1のパルス入力である。 tex2html_wrap_inline1248 は結合荷重と呼ばれ、シナプス結合の強さを示す。 tex2html_wrap_inline1250 はニューロンに対する閾値であり、ニューロンの電位がこれを超えるとニューロンは発火する。 また、yは出力である。 このニューロンモデルの作用は以下の式で表すことが出来る。

  equation31

  equation36

式(2.1)で、uを膜電位又は内部ポテンシャルと呼ぶ。 この式は、ニューロンがi番目の入力を受けて tex2html_wrap_inline1258 になると、ニューロンの膜電位が tex2html_wrap_inline1248 高くなることを表す。 この時、 tex2html_wrap_inline1262 ならばそのシナプス結合は興奮性、 tex2html_wrap_inline1264 ならば抑制性、また、 tex2html_wrap_inline1266 ならばシナプス結合は成されていないことになる。 tex2html_wrap_inline1250 は閾値であり、各入力にシナプスの重みを掛けた荷重和 tex2html_wrap_inline1270 がこの値を超えた時にuの値は正となり、ニューロンが興奮する。 このモデルでは、入力と出力は共に0と1の離散的な値である。 式(2.2)の出力関数は以下のように与えられている。

  equation43

この関数は階段関数であり、図2.3のようになる。

   figure52
図 2.3: ニューロンの出力関数(階段関数)

マッカロとピッツのモデルは離散的な入出力であるが、連続的なモデルを考える場合はシグモイド関数と呼ばれるものを出力関数とすることが多い。 シグモイド関数として有名なものに式(2.4)がある。

  equation60

このシグモイド関数の特性は図2.4となる。

   figure66
図 2.4: シグモイド関数



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時24分52秒 JST