予測の結果、ネットワークが出力した値は図6.2、図6.3に示すようになった。図6.4、図6.5には予測結果と当日の実際の値との誤差を示す。
図 6.4: 予測結果と実際の値との誤差(Atype、最高値)
図 6.5: 予測結果と実際の値との誤差(Atype、最安値)
Atypeの方法での予測では、前日の値に近い値を出力している。またBtypeの方法ではある値に出力が収束していく。これは、Atypeの予測結果から考えられるように、このネットワークは前日の値に近い値を出力しているので、初日の予測値を出力した後は、入力されたその予測値に近い値を出力し、以後出力の変化がほとんどなくなっているためであると考えられる。
次に、実際の為替相場の前日との変化分と、予測した為替相場と前日の実際の値との変化分について比較してみる。図6.6、図6.7はそれぞれ、最高値、最安値での変化分のグラフである。
予測値の変化分と、実際の変化分では、変化の方向についても、50%程度の一致であり、また、予測値の変化分は全体的に小さい。
図6.8は最高値と最安値の差のグラフである。全て0より大きな値になっているので、最高値が最安値より小さくなるような予測はしていない。
以上の事から、このネットワークが為替相場の変動を学習できたとはいえない。