図4.1のような為替相場の最高値・最安値の変動では将来の為替相場を予測する事ができなかった。 最高値・最安値の変動では、両方の値が同じ様な変化をし、さらに変化の仕方が複雑であるためにうまく学習できなかったものと考え、今回は、教師信号として為替相場の最高値と、その移動平均線を教師信号として与える事にする。
移動平均線とは、過去の一定期間の相場を平均化しグラフ化したものである。例えば、21日移動平均線であれば、最終日を含めてその日から21取引日さかのぼった期間の各日の相場を平均し、それを最終取引日の移動平均値とする。通常は一日の終値が使用されるが、今回は最高値を用いて移動平均線を求めた。 為替では一般的に、21日、90日、200日移動平均線が使用される。
今回は、最高値の変動と21日移動平均線の組合せを教師信号として実験を行った。実験で使用した教師信号を図7.1に示す。 移動平均をとることで、変化が滑らかになるので、最高値・最安値を教師信号とするより学習しやすいと考えた。