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結論

本研究では内部記憶を持つニューラルネットワークに為替相場の最高値・最安値の変動を学習させ、将来の為替相場の変動について予測を行った。遅れ学習法を用いて学習を行った結果、誤差は十分に小さくはならなかった。これは、為替相場の最高値・最安値の変動は変化が複雑なため、うまく学習できなかったものと考えられる。

ある程度学習を繰り返したネットワークを用いて予測を行った。その結果、Atypeの方法では、前日の値に追従するような予測値を出力し、為替相場の予測は成功しなかった。

そこで、教師信号を最高値と21日移動平均線にして同様の実験を行った。最高値と21日移動平均線を学習させると、21日移動平均線の誤差は小さくなったが、最高値の誤差は変化しなかった。

Atypeの予測方法の場合、最高値の予測値に関しては最高値・最安値を教師信号とした場合と変わらなかった。しかし、Btypeの予測方法では、予測値は実際の値の変化の傾向を示すようなものとなった。また、Atypeの方法で21日移動平均線を予測させると、増減の仕方が実際の変化と同じ様になった。

これらの事から、過去の為替相場の変動を学習し、その変動の傾向をつかむ事はできるが、詳細な予測をするためには学習時の誤差がより小さくなるように学習方法に工夫をしたり、教師信号に為替相場の値以外のものを与える事も必要であると考える。

謝辞

最後に、本研究を進めるにあたり一年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝致します。 また、同研究室において多くの助言をいただいた専攻科の今村豊治氏、古田彰吾氏、同研究室にてともに学んだ川延尚美氏、森章光氏、山口裕之氏に深く感謝致します。



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 15時56分21秒 JST