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ニューラルネットワークの協調・競合作用

ニューロン間のシナプス結合には、興奮性と抑制性の二種類がある。 興奮性のシナプスは$w_i>0$であるため、そのニューロンが発火すると接続された他のニューロンの膜電位も上がり発火しやすくなるという性質がある。これを協調作用と呼ぶ。一方、抑制性のシナプスは$w_i<0$であるため、興奮性とは逆に一つのニューロンが発火すると、接続された他のニューロンの発火を抑える性質を持つ。この時、二つのニューロンは同時には発火しにくく、どちらか一方のみが発火する。これをニューロン間の競合作用という。つまり、協調作用は、相互に結合したニューロンの一つが、他のニューロンに自分と同じように興奮を促すものであり、競合作用は、他のニューロンに自分と逆の反応を示すように促すものであるといえる。 一般に、多数のニューロンで構成される相互結合したニューラルネットワークにおいても、同様の効果が各シナプス結合の正負によってあらわれる。ニューラルネットワークの情報処理過程においては、その情報は各ニューロンの興奮によって担われているため、ニューラルネットワーク上の興奮パターンが重要な意味を持つ。したがって、正のシナプス結合によってニューロン同士がともに興奮しようとする協調作用が、ニューラルネットワークの並列情報処理の基本的なダイナミクスとなる。[2]



Deguchi Lab. 2011年3月3日