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カオスニューラルネットワーク

カオスニューロンを構成要素とするニューラルネットワークを カオスニューラルネットワークと呼ぶ。 カオスニューロンの入力はネットワーク外部から受けとるものと、 フィードバック入力に分けられてモデル化される。 $M$ 個の外部入力と $N$ 個のニューロン間の 相互結合を持つカオスニューラルネットワークの $i$ 番目のニューロンの振舞いは、


\begin{displaymath}
x_{i}(t+1)= f\left(
\sum_{j=1}^{M}v_{ij}\sum_{d=0}^{t}k_{s}...
...lpha\sum_{d=0}^{t}k_{r}^{d}g\{x_{i}(t-d)\}
-\theta_i
\right)
\end{displaymath} (3.4)

で表される。[5]

また以下にそれぞれの変数が表す意味を示す。

$x_{i}(t)$: 時刻$t$における$i$番目( $i=1,2,\ldots,N$)のニューロンの出力
$v_{ij}$: $j$番目の外部入力$A_{j}$から$i$番目のニューロンへの重み
$A_{j}(t)$: 時刻$t$における$j$番目( $j=1,2,\ldots,M$)の外部入力の大きさ
$w_{ij}$: $j$番目のニューロンから$i$番目のニューロンへの重み
$k_{s}$: 外部入力項に対する時間減衰定数( $0{\leq}k_{s}<1$)
$k_{m}$: 他のニューロンからのフィードバック入力項に対する時間減衰定数
$k_{r}: i$番目のニューロンの不応性の時間減衰定数( $0{\leq}k_{r}<1$)
$\theta$:閾値

$g$は不応性によるフィードバックの大きさを求める関数であり、 $h$は軸索の伝達関数である。 ここで外部からの入力を表す項を $\xi_i$ 、 ニューロン間の相互結合を表す項を$\eta_i$、 ニューロン自身の不応性の項を$\zeta_i$ で表すと、 それぞれの項は次のように簡略化できる。

\begin{displaymath}
\left.
\begin{array}{ll}
\xi_i(t+1) & = \displaystyle{\...
...\zeta_i(t)-\alpha x_i(t)-\theta_i(1-k_r)
\end{array} \right.
\end{displaymath} (3.5)

式(3.5)を用いると、$i$ 番目のニューロンの出力は次のように表される。


\begin{displaymath}
x_i(t+1) = f[\xi_i(t+1)+\eta_i(t+1)+\zeta_i(t+1)]
\end{displaymath} (3.6)



Deguchi Lab. 2011年3月4日