カオスニューラルネットワーク

カオスニューラルネットワークとは、カオスニューロンを構成要素としたニューラルネットワー クのことを示す。この時、ネットワークを構成するカオスニューロンの各々の入力は、一般にネ ットワーク内部からのフィードバック入力と、ネットワーク外部からの入力を受け取るものに分 けられる。$M$個の外部入力と$N$個のカオスニューロン間の相互結合を持つカオスニューラルネッ トワークの$i$番目のカオスニューロンの出力は、式(3.3)で表される。


\begin{displaymath}
x_i(t+1) = f(\sum_{j=1}^M (v_{ij} \sum_{d=0}^t k_s^d A_j(t -...
... \alpha \sum_{\alpha = 0}^t k_r^d g\{ x_i (t-d) \} - \theta_i)
\end{displaymath} (4)

ここで$x_i(t+1)$は時刻$t+1$における$i$番目のカオスニューロンの出力、$v_{ij}$$j$番目の外部入力 $A_j(t)$からの$i$番目のニューロンへの結合係数、$A_j(t)$は時刻$t$における$j$番目の外部入力の大 きさ、$w_{ij}$$j$番目のカオスニューロンから$i$番目のカオスニューロンへの結合荷重、関数$h$は 出力と次の刺激に対する不応性との関係を与える関数、$k_s,k_m,k_r$はそれぞれ外部入力、カ オスニューロン間の相互結合、不応性の時間減衰定数である。$\theta_i$$i$番目のニューロンの 閾値である

式(3.3)において、外部からの入力を表す項を$\xi_i$、カオスニューロン間の相互結合を 表す項を$\eta_i$、ニューロン自身の不応性の項を$\zeta_i$で表し、$h$$g$を 恒等関数とすれば、 次のように簡略化できる。[2]


$\displaystyle \xi_i(t+1)$ $\textstyle =$ $\displaystyle \sum_{j=1}^M (v_{ij} \sum_{d=0}^t k_s^d A_j(t-d)) = k_s \xi_i + \sum_{j=1}^M v_{ij} A_j(t)$  
$\displaystyle \eta_i(t+1)$ $\textstyle =$ $\displaystyle \sum_{j=1}^N (w_{ij} \sum_{d=0}^t k_m^d h\{ x_j(t-d) \}) = k_m \eta_i(t) + \sum_{j=1}^N w_{ij} x_j(t)$ (5)
$\displaystyle \zeta_i(t+1)$ $\textstyle =$ $\displaystyle -\alpha \sum_{d=0}^t k_r^d g\{ x_i(t-d) \} - \theta_i = k_r \zeta_i(t) - \alpha x_i(t) - \theta_i(1-k_r)$  

この式(3.4)を用いると、$i$番目のニューロンの出力は次のように表される。


\begin{displaymath}
x_i(t+1) = f( \xi_i(t+1) + \eta_i(t+1) + \zeta_i(t+1))
\end{displaymath} (6)



Deguchi Lab. 2017年3月6日