動的想起

ネットワークが記憶したパターンを出力する現象を想起するという。いくらかのパターンを学習させたカオスニューラルネットワークを外部から入力を与えずに動作 させ続けると、ネットワークは学習したパターンの中からいくつかのパターンを動的に想起し出力 していく。カオスニューラル ネットワークの特徴の一つに、動的想起というものがあげられる。動的想起とは、出力が収束せず、 記憶したパターンを含む様々なパターンを出力する現象である。 ネットワークが動的想起を示す時、ネットワークは動的想起状 態にあるという。動的想起の原因には、カオスニューロンに含まれる不応性が挙げられる。

本研究の主目的である記憶検索では、この動的想起状態を利用することで、目標としているパタ ーンを見つけ出す。

例として、A,B,Cの形を順に学習させたカオスニューラルネットワークの動的想起の状態を、 Figure 3.2に示す。Figure 3.2より、$t=36$までは最後に学習したCを想起し続け ているが、次のステップからは形が崩れ始めているのがわかる。また、$t=43$から、学習したパ ターンであるBを想起していることがわかる。このように、学習したパターンを入力を与えられず に動的に想起する現象が、動的想起である。[4]

図 3.2: Dynamical Recollection
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Deguchi Lab. 2017年3月6日