記憶検索

図 5.1: Search Access
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記憶検索とは、ネットワークに記憶してある検索したいパターンそのものを入力して探し出すの ではなく、検索したいパターンの特徴のみを入力することによって、目的とするパターンを見つ け出す手法である。サーチアクセスとも呼ばれている。

記憶検索の代表的な構成を、Figure 5.1に示す。この図を基に、記憶検索の簡単な流れを 説明する。 まず、記憶させたいパターンをカオスニューラルネットワークに学習させる。本研究では、ネッ トワークの学習に逐次学習を用いた。次に検索したいパターンの特徴を入力する。カオスニュー ラルネットワークでは、出力したパターンを他のカオスニューロンへの入力とし、これを繰り返 しながら学習パターンを非周期的に出力する。この性質を利用して、入力した特徴と一致するも のが出力されるまで繰り返す。特徴が一致しているかどうかは、出力したパターンから特徴を抽 出する機構を別で用意し、そこで入力した特徴と比較する。その結果から、シナプス前抑制を用 い、特徴が一致するまで動的想起状態になるように制御し、出力パターンの特徴が一致すると、 出力を収束させるように制御する。このようにして、入力した特徴を持ったパターンが出力され るようにする。これが、カオスニューラルネットワークを利用した記憶検索の一連の流れであ る。記憶検索においては、できるだけ早く全てのパターンを動的に想起することができるよう、 カオスニューラルネットワークを制御する必要がある。[5]



Deguchi Lab. 2017年3月6日