特徴抽出を行う機構として、階層型ニューラルネットワークを用いた。その学習には、誤差逆伝 播法を用いた。
Figure 5.2に示すように、動的想起状態にあるカオスニューラルネットワークの各カオス ニューロン素子に対応したニューロン素子を、パーセプトロンの入力層に対応させた。
例えば、アルファベットの“A,T,W,U”などは、左右対称(Left and right symmetry )という特徴を持ってい て、“B,C,D,E”などは上下対象(Upper and lower symmetry)という特徴を持っている。左右対称と上下 対象の2種類の特徴を用いて特徴抽出を行いたい場合、パーセプトロンの出力層を2つ用意し、 表 5.1の様に出力するように学習を行えば良い。特徴が当てはまったら1、当てはまらなかっ たら0とする。
Input | Left right symmetry | Upper and lower symmetry | |||
A | 1 | 0 | |||
B | 0 | 1 | |||
X | 1 | 1 | |||
P | 0 | 0 |
本研究では、複数のランダムパターンを用いた。そのため、左右対称や上下対象といった明確な 特徴でパターンを表現することができない。ネットワークに記憶させたいパターンの数だけ特徴 が存在するものとして、出力層の数とその出力を設定し、学習させた。
例えば10種類のパターンを用いた場合、パーセプトロンの出力層は4つ用意し、パターンを記憶させた 順番で、二進数を利用して特徴を設定した。3番目に学習させたパターンならば、その特徴は0011と表 現し、9番目に学習させたパターンならば1001という特徴を与えた。