実験内容

実験1では、複数のシナプス前抑制関数を用い、10パターンでの記憶検索の結果を比較する。 過去の研究では、シナプス前抑制関数は式(6.1)で表されていた。[5] [6] [7] なお、抑制閾値$gs$は0.5、抑制値 $ \Upsilon_{cha} $ は0.8と、多くの場合されてきた。この $ \Upsilon_{cha} $ の値を変えた場合の記憶検索の成功率を調べる。

$ \Upsilon_{cha} $の値が定数の場合に記憶検索に成功する為には、ネットワークが記憶したパタ ーンを全て動的に想起する必要がある。しかし、記憶させるパターンが増加するほど、動的に想 起するパターンの割合は低くなると、過去の研究から明らかとなっている。

本研究では、シナプス前抑制による抑制値を時間の経過と共に変化させることで、記憶させたパ ターンを動的に想起できるかを調べる。動的想起できるということは、記憶検索が成功するとい うことである。具体的には、乱数を用いて、抑制値の挙動を変化させる。また、乱数の取り得る 範囲も変え、記憶検索の成功率を確かめる。また、三角関数を用いて、抑制値の変化に周期性を もたせた場合の成功率も確かめる。



Deguchi Lab. 2017年3月6日