実験内容

実験3で、パターン数が30に増えた時、記憶検索の成功率はパターン数が20の時と比べて著しく 低下していることを確認した。そこで実験4では、新たにもう一つの特徴抽出機構を設置するこ とで、記憶検索成功率の改善を試みる。

新たに増設する特徴抽出機構の構造と学習方法は、今まで単一で用いてきた特徴抽出機構と同じ ものを用いる。従来の特徴抽出機構と新たに設置する特徴抽出機構の差別化は、学習パターンの 違いによって実現する。区別するため、従来の特徴抽出機構を第一特徴抽出機構、新たに設置す る特徴抽出機構を第二特徴抽出機構と呼ぶ。

第一特徴抽出機構では、記憶させるパターンの特徴とそうでないパターンの特徴を、1対2程度の 割合で学習させていた。第二特徴抽出機構では、記憶させるパターンの特徴しか学習させない。 このような学習をさせることで、第二特徴抽出機構は記憶させたパターンに対して敏感に反応す ると期待できる。

記憶検索では、動的想起状態にあるカオスニューラルネットワークから、独立して動作する第一 特徴抽出機構と第二特徴抽出機構がそれぞれ特徴抽出を行い、両特徴抽出機構の示す特徴が目標 とする記憶パターンの特徴と一致した場合に、目標としたパターンが想起できたとする。 図に表すと、Figure 5.1をFigure 6.1にしたこととなる。

図 6.1: New Model of Search Access
\includegraphics[scale=1.2]{newsearch.eps}

使用するランダムパターンは、実験3と同じものを用いる。



Deguchi Lab. 2017年3月6日