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実験3の結果

まず視覚的に結果の概要が分かるように入力パターン数240の場合の各組み合わせによる結果を図5.7に示す。  

図 5.7: 200素子における不応性$\alpha $と結合荷重の変化量$\Delta w$と学習パターン数
\includegraphics[scale=0.6]{exp3-2.eps}

この結果からも分かる通り予想通り、$\Delta w$$\alpha $の組み合わせは学習に大きく影響を及ぼすことが分かる。 また、240パターンを完全学習する組み合わせも存在しているが、 一方で組み合わせによっては学習パターン数が大きく減少している。 以後、完全学習できる$\Delta w$$\alpha $の組み合わせを適切な組み合わせとする。

次に各入力パターン数における適切な組み合わせの数を表5.2、図5.8に示す。



表 5.2: 各入力パターンにおける適切な組み合わせの数
入力パターン[個] 適切な組み合わせの数[組]
180 15294
190 12193
200 8260
210 4418
220 2461
230 1281
240 686
250 193

図 5.8: 入力パターン数と適切な組み合わせの数
\includegraphics[scale=0.5]{exp3-4.eps}

これらの結果からいくつかの事が分かる。 まず、200のネットワークの素子数において250パターンを完全学習出来たということである。 ただし、適切な組み合わせの数は200パターン数前後と比較しても極めて少ない。 5.3節の実験結果にてネットワークの素子数と最大完全学習数には比例関係があると述べた。 その際比例定数は1を越える事は無かったが、本実験ではそれが覆されている。 つまり、他のネットワークの素子数において適切な組み合わせを用いれば比例定数1を越える事が予想される。 加えて本実験では250パターンまでしか学習を行っていないが、それ以上に学習できる可能性は十二分にある。 次に適切な組み合わせの数と入力パターン数には何らかの関連性が見受けられる。 単純な1次・2次関数では表現できないが、 適切な組み合わせの数の減少量も入力パターンが多くなると小さくなっている事が分かる。 また、適切な組み合わせの数の減少量も大きいことが分かる。 つまり適切な組み合わせでなければ完全学習が行えない一方で、 その選定は入力パターン数が大きいほど難しくなるといえる。 180パターン入力時と250パターン入力時との適切な組み合わせの数の差は15000組以上ある事からもそのことは明らかである。

次に適切な組み合わせにおける$\alpha $$\Delta w$の値に関する結果を図5.9に示す。

図 5.9: 適切な組み合わせにおける$\alpha $$\Delta w$の値
\includegraphics[scale=0.5]{exp3-5.eps}

これは全ての入力パターンにおける適切な組み合わせの$\alpha $$\Delta w$の値を重ね合わせた図である。 図5.10, 表5.3に見方を示す。 つまり、図5.10に記載されている数字は重複数を示しており、 左下に近づくほど入力パターン数に関わらない適切な組み合わせであることを示している。 入力パターン数が増加した際の適切な組み合わせの変化には何らかの関連性があることも図5.9から分かる。 一方で入力パターンに依存しない適切な組み合わせの存在も明らかになっている。(図5.10における【8】周辺) ただしこの場合の2つのパラーメータの値は極めて小さい事が分かる。

図 5.10:5.9の補足図
\includegraphics[scale=0.7]{exp3-5plus.eps}



表 5.3:5.9の補足表
5.9中の数字 完全学習できる入力パターン数
1 180のみ
2 180,190
3 180,190,200
4 180,190,200,210
5 180,190,200,210,220
6 180,190,200,210,220,230
7 180,190,200,210,220,230,240
8 全ての入力パターン


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Deguchi Lab. 2010年3月5日