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神経細胞

カオスニューラルネットワークを構成するカオスニューロンは、 脳の神経細胞(neuron)をモデル化したものである。 カオスニューロンは初期のモデルから段階的に改良を加えて定義されたため、 本章ではその基本部分にも触れてカオスニューロンについて述べる。 ニューロンとは神経細胞の英名をカタカナ表記したものであるが、 本論文においては実際の神経細胞は漢字表記、モデル化したものをニューロンとカタカナ表記としている。

図 2.1: 神経細胞の基本構造の模式図
\includegraphics[scale=1.0]{neuron_color.eps}

2.1は神経細胞の基本構造を模式的に表現した図である。 実際の神経細胞は個性があり、多種多様な細胞である。 しかし、基本構造は共通しておりモデル化の基礎となっている。

神経細胞は図2.1にある通り複数の神経細胞と結合しており、 シナプスを介して入力(後に述べる電位の伝搬)を受ける。 入力が無い状態では、神経細胞は$-60$$-70mv$程度の負の一定値に安定に保たれている。 この電位を静止電位という。 一方入力を受けるとこの電位が上昇するのだが、その振る舞いにはシナプスに依存した興奮性入力と抑制性入力の2種類に分けられる。 図2.2は神経細胞の発火現象を模式的に表現した図である。 神経細胞の電位を上昇させる(脱分極)入力が興奮性入力(図2.2(a)参照)。 逆に電位を下降させる(過分極)入力が抑制性入力である(図2.2(b)参照)。

神経細胞はこれらの入力を他の神経細胞から受け取り、 ある一定の電位(閾値電位)を越えて脱分極すると他の神経細胞へ軸索を通して 電位の伝搬を行う。これが神経細胞の発火である。

図 2.2: 神経細胞の発火現象模式図
\includegraphics[scale=1.0]{neuron_pulse.eps}



Deguchi Lab. 2010年3月5日