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カオスニューラルネットワーク

 カオスニューラルネットワークとは2.3節で述べたカオスニューロンを接続し形成されたネットワークである。 相互結合型で構築されたこのネットワークにおける入力は外部からの入力と、他のニューロンからの入力がある。 (他のニューロンからの入力は、他のニューロン自身からみた出力を意味する。) この事をふまえカオスニューラルネットワークは 3つの内部状態変数$\xi_i$, $\eta_i$および$\zeta_i$を用いて以下のように定義される[6][7]。 これらの変数はそれぞれ、外部入力の項、相互結合の項、そして不応性に関する項といえる。


\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
\displaystyle \xi_i(t+1) = \sum_{j=1}^{M}...
... = -\alpha\sum_{d=0}^{t}{{k_r}^dx_i(t-d)}-\theta_i
\end{array}\end{displaymath} (3.1)

各定数、変数、係数は以下の通りである。

$M$
:外部からの入力の総数
$v_{ij}$
$j$番目から$i$番目への外部からの入力におけるシナプス結合荷重
$k_e$
:外部からの入力に対する時間減衰定数( $1 \ge k_e \ge 0$
$A_j(t)$
:時間$t$における$j$番目の外部入力の値
$N$
:ネットワークを構成するカオスニューロンの総数
$w_{ij}$
$j$番目から$i$番目のカオスニューロンへのシナプス結合荷重
$k_f$
:他のカオスニューロンからの入力に対する時間減衰定数( $1 \ge k_f \ge 0$
$\alpha $
:不応性の項をスケーリングする定数($\alpha \ge 0$
$k_r$
:不応性に対する時間減衰定数( $1 \ge k_r \ge 0$

また、$i$番目のカオスニューロンの出力値は次式で与えられる。


\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
x_i(t+1) = f_i(\xi_i(t+1)+\eta_i(t+1)+\zeta_i(t+1))
\end{array}\end{displaymath} (3.2)



Deguchi Lab. 2010年3月5日