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結論

本研究では、教育用コンテンツにおけるユーザビリティに関する基礎的研究として、 まずユーザビリティとは何であるかについて調べることから研究を始めた。 そして、Flashを用いて、教育用コンテンツを作成し、各コンテンツに操作方法を複数用意した。 その後、コンピュータ操作に関するスキルが中級者以上である人たちを対象としてコンテンツを利用してもらい、コンテンツの操作方法に関するアンケート調査を行い、 そのアンケート結果から考察を行った。

操作方法としては、ドラッグ&ドロップのように、操作回数が少なくてすむものは操作がしやすく、効率性が高いという評価を得た。 同様に、ボタンの設置数が少ない方が、操作しやすいことが分かり、 逆に、ボタンの設置数が多かったり、もしくはボタンが小さすぎたりすると操作が難しく感じられることが分かった。 また、キーボード入力とマウス入力を合わせて使わなければいけないものについては、操作が煩わしく感じられるということが分かった。

操作方法自体の難しさに加えて、ボタンの位置やデザインが、操作に対する学習のしやすさや記憶のしやすさに影響することも分かった。 デザインが分かりにくいと、操作方法自体が難しくなくても、再度操作しようとしたときに、迷いなく操作ができない可能性があるためである。

正しい操作方法に誘導するためには、操作できる部分に注意が向くようなデザインをして、操作できない部分には制限を設けなければならない。 操作できる部分が多すぎると、どこに注意を向ければいいのか分からなくなり、混乱する可能性がある。 そして、その操作をしているときは、ユーザーが思う通りに操作できるよう、途中でマウスのクリックを繰り返したり、カーソルを移動させたり、キーボードからマウスに持ちかえるといったようなステップを、できるだけ少なくする必要がある。 こういった点に配慮して、デザインと操作方法の両方を考慮して設計をする必要があるといえる。

今回の調査では、対象がコンピュータ操作のスキルが中級者以上の人たちであったため、利用者が変わると、調査結果は違ったものになったと考えられる。 コンテンツの内容が違った場合、コンテンツ利用者も変わることが考えられるので、今回の調査の結果が一般的に通用するわけではない。

今回の調査の結果をもとに、問題だと考えられた部分を改善し、ユーザビリティが向上するようにすることや、 利用者がコンピュータ操作に不慣れな人たちの場合について、どのようなデザインが分かりやすく見られるかということを調査することが、今後の課題である。



Subsections

Deguchi Lab. 2012年3月9日