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5.3 実験方法

  実験の流れは図 5.1 のとおりである。 最大60種類のパターンを、逐次学習法を用いてネットワークに学習させる。 同じ入力パターンを連続して学習させる回数を学習ステップ数とし、 すべてのパターンを通じて学習させる回数の合計を総学習回数とする。 本研究に用いるニューラルネットワークは、 3.2節で述べたカオスニューロンを相互的に結合させた 相互結合型カオスニューラルネットワークである。 ネットワークへの入力は 1 と -1 の2種類があるので、 カオスニューロンの出力関数には式(3.4)の シグモイド関数の解を -1から1までに拡張した 式(5.3)を用いる。 図 5.2 に、拡張したシグモイド関数を示す。

   figure304
図 5.1: 学習のフローチャート

   figure312
図 5.2: 拡張したシグモイド関数

  equation323

実験には、5.2節で述べた変更点による 性能の変化を分かりやすくするため、 次の4種類の逐次学習法を使用する。

学習法1
学習条件と学習式のみを変更したもの
学習法2
学習法1に加え、さらに内部状態をリセットしないようにしたもの
学習法3
内部状態のみをリセットしないようにしたもの
学習法4
従来の学習法のままのもの

ホップフィールドネットによる想起は、カオスニューラルネットによって 学習できたことをシュミレーションするために行なうものなので、 4種類の学習法についてすべて同様のアルゴリズムで行なう。 学習終了時のカオスニューロン間の結合荷重を、 通常のニューロンで構成されたホップフィールドネット に与え、入力パターンを与えた時に素早くそのパターンが出力されれば、 学習成功とする。

入力パターンには、7×7マスの合計49個の要素からなる パターンを用意し、1つの要素を1個のカオスニューロンへの入力に対応させる。 そのマスが黒く塗りつぶされていれば、対応するカオスニューロンへの入力は +1 とし、塗りつぶされていなければ -1 とする。 パターンシンボルとして、アルファベットの大文字、小文字、記号の合計 60種類の入力パターンを用意した。

学習特性を調べる上で、 総学習回数を一定にした時の、学習ステップ数の変化に対する 学習成功数の変化、ランダムにノイズを加えたパターンを入力した場合の 学習成功数の変化、ノイズと学習ステップ数の関係を調べ、 4種類の学習法で学習成功数の変化を比較する。

この実験における i 番目のカオスニューロンの ダイナミクスは式(5.4)で表される。 実験に用いたモデルでは、予備実験より各パラメータを表5.1のように定めた。 外部入力の各ニューロンに対する結合定数 v はすべて一定とし、 ニューロン毎の入力に対する重みのばらつきはないものとする。

  equation334

 

 
tex2html_wrap_inline1619 = 0.015 tex2html_wrap_inline1621 = 2.0 tex2html_wrap_inline1623 = 0.95
tex2html_wrap_inline1625 tex2html_wrap_inline1627 tex2html_wrap_inline1629
tex2html_wrap_inline1631 tex2html_wrap_inline1633
表 5.1: 各パラメータ



Deguchi Toshinori
Mon Feb 19 13:32:26 JST 2001