カオスニューロンによって構成されたネットワークをカオスニューラルネットワークと呼ぶ。 カオスニューロンの入力はネットワーク外部からの入力と、ネットワーク内部での他ニューロンからのフィードバック入力の2種類を考慮する。 個の外部入力と 個のニューロン間相互結合を持つカオスニューラルネットワークの 番目のニューロンの振る舞いは 式(3.2)で表される。
ここで とはi番目のカオスニューロンの時間 における出力値である。 は時刻 における 番目の外部入力、 は からi番目のニューロンへの結合係数、 は 番目のニューロンから 番目のニューロンへの結合荷重、 関数 は出力と次の刺激に対する不応性との関係を与える関数、 は 番目のニューロンのしきい値、 は不応性項をスケーリングするパラメータ、 はそれぞれ外部入力効果、フィードバック入力効果、不応性効果の時間減衰定数である。
式(3.2)において、外部からの入力を表す項を 、 ニューロン間の相互結合を表す項を、ニューロン自身の不応性の項を で表し、 、 を恒等関数とするとそれぞれ次のように簡略化できる。
簡略化した式を用いると 番目のカオスニューロンの出力値は式(3.6)で与えられる。
本研究で用いるニューロンの出力関数 は次のように表される。 はシグモイド関数の立ち上がりの鋭さを表すパラメータである。