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カオスニューロン

従来のニューロンモデルは、多数入力の結合荷重としきい値作用の特徴だけを取り出し、 出力関数は0か1の階段関数を用いていた。 しかし合原らのヤリイカの巨大軸索を用いた実験で、空間条件を固定して注意深い実験を行うと、 実際のニューロンの応答は非周期的であり出力関数は急峻な立ち上がりを持つことが分かり、 実際のニューロン内にはカオス現象が存在することが明らかにされた。[9] そして合原らによりこれらの特徴を取り入れたカオスニューロンが考案された。そのモデルは式(3.1)で表される。


\begin{displaymath}
x_(t+1) = f[A(t)-\alpha\sum_{d=0}^{t}k^d g\{x(t-d)\}-\theta]
\end{displaymath} (3.1)

ここで示した $x(t+1)$ は時刻 $t+1$ におけるニューロンの出力、 $A(t)$ は時刻 $t$ における外部入力の大きさ、 $\alpha$ は不応性の項に対するスケーリングファクタ($\alpha\ge0$)、 $k$ は不応性の定数 $(0\le k <1)$$g$ は軸索の伝達関数である。 不応性とはニューロンが興奮した後、一時的にしきい値が上昇する性質のことである。 また、膜電位や不応性はしばらくの間減衰されながら残る。 関数 $f$ はニューロンの内部状態と出力の関係を表し、通常はシグモイド関数を用いる。



Deguchi Lab. 2016年3月1日