コンピュータと脳では構成と情報を処理する速度が違う。人間の脳は、数百億の神経細胞(ニューロン)からなる。 またそれぞれのニューロンは約1万個の他のニューロンと結合している。しかし処理装置としてのニューロンは、1秒間の処理ステップはせいぜい数百のステップである。 現在のコンピュータは中央処理装置(CPU)と記憶装置(メモリ)で構成され、CPUは1秒あたり数千万から億単位の処理ステップをこなせる。 処理速度という面で比較すると、ニューロンとCPUとではその性能差は大きい。しかし人間は人の顔や微妙な表情を判別、読み取ることができる。 それに対してコンピュータでは顔の判別をすることは難しい。また判別できたとしても表情まで読み取るようなことは困難である。
このように、コンピュータと脳では処理速度に圧倒的な違いがあるにもかかわらず、脳がコンピュータよりも優れている部分がある。 この理由は、コンピュータは基本的に逐次処理であり、CPUはメモリから受け取ったデータを順に処理するのに対して、脳は各ニューロンが独立して動作する、 つまり並列処理をしているという点にある。したがってニューラルネットワークは、高い並列性を持つため高度な機能を実現できる可能性がある。