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周囲のラベル付きニューロンの総合的な予測

前項で述べた自己組織化マップによる気象要素の予測方法では、最も近いラベル付けされているニューロンが複数個あった場合(図4.2(a))、どのニューロンを選択して予測数値の対象とするかが不確定である。また、ラベル付きのニューロンが少ない空間上のニューロンが反応した場合(図4.2(b))、最も近いラベル付きニューロンは競合層上の距離が長くなってしまい、入力した観測データの天気パターンから外れる可能性が高くなってしまう。

これらの問題を防ぐために、周囲のラベル付きニューロンをいくつか選択してリスト化し、それらの翌日の観測データ全てに平均をとった値を予測天気とする方法が考えられる。自己組織化マップは学習段階でベクトル量子化を行っているので周囲のラベル付きニューロン全ての観測データに復元してから平均をとると、競合層上ではそれらのラベル付きニューロンの中心に最も強く反応したニューロンが存在するといえる。この考えを応用して、周囲のラベル付きニューロンの翌日の天気について平均をとると、たとえ同じ天気パターンに属している天気がなくとも予測が可能であると考えることができる。



Deguchi Lab. 2011年3月4日