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ニューロン

図 2.1: ニューロンの構造
\includegraphics[height=50mm]{fig2-1.eps}
ニューロン(Neuron)とは、動物に特有の神経系を構成する神経細胞であり、我々が普段行う知覚、思考、記憶、行動などを司る脳の機能の基本単位である。また、これらの神経細胞の機能や形態は、脳の様々な部位や器官によって多様であり、1つとして同じ細胞が無いのが特徴である。しかし、ニューロン1つ1つの働きの基本は多くの共通したメカニズムがある。

ニューロンは図2.1に示すように、細胞体、樹状突起、軸索、シナプスで構成される。他のニューロンの出力を樹状突起で受け取り、樹状突起で受け取った複数の入力を細胞体で統合させ、軸索を通して運ばれた出力が他のニューロンに接続されているシナプスから出力されるという一連の過程でニューロンの各部が働いている。

人間の脳の神経細胞は100億から1000億個程度といわれ、各神経細胞が並列で分散して情報処理を行っている。

ここでいう情報処理とは、入力信号を出力信号に変換することである。神経細胞の内部とそれを取り巻く細胞外液との間には電位差が存在する。通常、その電位差は細胞外に対し細胞内が負の値($-40$$-90$mV程度)に保たれているが、樹状突起から入力された電気信号の刺激により、細胞内の電位が数mV上昇すると、ある閾値で突然自発的に細胞内の電位が一気に上昇し、細胞内の電位が細胞外の電位より高くなると再び元の電位に戻る。このような現象をニューロンの発火といい、振幅約100mV、時間幅約1msのパルス(これを神経インパルスという)が軸索やシナプスを通して他のニューロンに出力として伝達される。



Deguchi Lab. 2011年3月4日