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ニューラルネットワークの協調と競合

 

ニューロン間のシナプス結合には, 興奮性と抑制性の二種類ある. 興奮性のシナプスは tex2html_wrap_inline1231 であるため, 式(2.2)の式から, そのニューロンが発火すると 他のニューロンも発火しやすくなり, これをニューロン間の協調作用と呼ぶ. 抑制性のシナプスは tex2html_wrap_inline1233 なのでそのニューロンが発火すると 他のニューロンの発火を抑えるように働き, これをニューロン間の競合作用と呼ぶ.

一般にニューロンが多数相互結合したニューラルネットワークにおいても, 同様の効果が各シナプス結合の正負によって生じる. ニューラルネットワークの情報処理過程においては, その情報は各ニューロンの興奮によって担われているため, ニューラルネットワーク上の興奮パターンが重要な意味を持つ. したがって, 正のシナプス結合によってニューロン同士が ともに興奮しようとする協調作用と, 負のシナプス結合によって 他のニューロンの興奮を抑えようとする競合作用が, ニューラルネットワークの並列情報処理の 基本的なダイナミクスとなる[3]. 協調作用は, 相互に結合したニューロンの一つが, 他のニューロンに 自分と同じように興奮を促すものであり, 競合作用は, 他のニューロンに自分と逆の 反応を示すように促すものである.



Toshinori DEGUCHI
2004年 2月22日 日曜日 14時38分28秒 JST