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5.1 目的

カオスニューラルネットワークに連想記憶させるための学習法の一つとして、 逐次学習法がある。 本研究室の過去の研究により逐次学習法が従来の相関学習よりも効率が良く、 学習に向いていることが実証されている。 本研究では、逐次学習法を用いて文字を学習させる時に、 忘却する対象となるパターンが、どのように他のパターンに影響され 忘れていくかを調べた。

今までの研究ではどれだけのパターンを学習することが 出来るかが焦点となっていたが、 本研究では学習していく過程で忘れ去られていく 「学習済みのパターン」に注目した。何かを学習させることにより ネットワークの状態が変動して覚えたはずの記憶が崩れていくことは当然である。 研究では、学習させるパターンとしてアルファベットを用いた。 このアルファベットのパターンにより、対象となるパターンがどの様に、 またどのパターンに影響されるかをアルファベットを通して調べる。

実験の方法としては、あらかじめ対象となるパターンを学習させ、 次に他に用意したパターンを学習させることによって忘却の度合を調べる。 この学習では、それぞれの学習パターンを決められた順序で、 決められた学習回数ずつネットワークに入力する。 この、学習パターン数×学習回数をひとつにして1セットとする。 対象パターンの学習では、最初に初期学習回数だけ 対象パターンを学習した。 次に対象パターンを省いたパターンを20セット分学習させ、 いかに対象パターンが崩れるかを調べる。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 19 18:58:08 JST 2001