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2.3 ニューラルネットワークの協調と競合

  ニューロン間のシナプス結合には、興奮性と抑制性の二種類ある。 興奮性のシナプスは w>0 であるため、 式(2.1)の式から、そのニューロンが発火すると 他のニューロンも発火しやすくなり、 これをニューロン間の協調作用と呼ぶ。 抑制性のシナプスは w<0 なのでそのニューロンが発火すると 他のニューロンの発火を抑えるように働き、 これをニューロン間の競合作用と呼ぶ。

一般にニューロンが多数相互結合したニューラルネットワークにおいても、 同様の効果が各シナプス結合の正負によって生じる。 ニューラルネットワークの情報処理過程においては、 その情報は各ニューロンの興奮によって担われているため、 ニューラルネットワーク上の興奮パターンが重要な意味を持つ。 したがって、正のシナプス結合によってニューロン同士が ともに興奮しようとする協調作用と、負のシナプス結合によって 他のニューロンの興奮を抑えようとする競合作用が、 ニューラルネットワークの並列情報処理の 基本的なダイナミクスとなる[1]。 協調作用は、相互に結合したニューロンの一つが、他のニューロンに 自分と同じように興奮を促すものであり、 競合作用は、他のニューロンに自分と逆の 反応を示すように促すものである。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 19 18:58:08 JST 2001