next up previous contents
Next: 参考文献 Up: 無題 Previous: 4.6 学習3改−学習回数を増やす

第5章 まとめ

本研究では、カオスニューロンによるパーセプトロンに、学習法として バックプロパゲーションを用い、複数の周期パターンを記憶させることを試みた。 そして、ランダムな入力パターン列の中から記憶させた周期パターンが検出できるか どうかを調べた。

はじめに述べたように、カオスニューロンによるパーセプトロンは原理的に 過去の入力パターンを順に記憶することはできない。過去の情報の記憶は、 カオスニューロン内部における tex2html_wrap_inline1566 および tex2html_wrap_inline1568 の時間的加算項によって まかなわれているだけだからである。そのため、100% の検出はできない。

バックプロパゲーションによって学習させる場合、教師信号は入力パターンにより 自動的に決まるので、ネットワークの持つ機能は入力パターンの与える順番で決まる。 よって、想定される入力パターン列の特徴を場合分けして、学習1・2・3の順に より多くの場合を想定した学習パターン列を作成した。学習3改では学習の 回数を増やし、教師信号との誤差を限りなく0に近づけなければ学習パターン列に 問題があるのか学習回数の少なさに問題があるのかがあいまいになってしまうことを 示した。

現段階で、ある程度の検出を行なえることが示され、さらに精度がよくなる可能性はある。

バックプロパゲーションでは、どこからどこまでの入力が周期パターンである、 といったことの学習ができないという本質的な問題があるが、さらに多くの場合を想定 した学習パターン列を作成することで学習できると考える。また、より多くの 周期パターンを記憶させたり、周期の異なる周期パターンを記憶させたりすることが 今後の課題である。

謝辞

最後に、一年間本研究を進めるにあたって終始多大なご指導をいただきました 出口利憲先生に深く感謝いたします。

また、同研究室において良き助言をいただいた専攻科の拓殖章博氏、徳島大己氏、 および共に学びあった浅川新也君、佐藤正人君、山田博久君に厚く御礼申し上げます。



Deguchi Toshinori
1998年04月01日 (水) 12時03分23秒 JST