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4.4.3 考察

これも実験1同様、各パターンごとに結果をみていく。

まず、(c)のパターン``CDE''についてみてみる。 学習回数100000回において、一番左の発火はそれ以前の入力、つまり学習の最後の入力が``CD''であった可能性が0ではない。 このことから、正誤の判断を付けられないと考えられるので、この部分は無視する。 すると、1箇所だけ間違って発火している。 これは、学習回数が500000回以上では発火していないことより、100000回の時点ではまだ学習が途中だったといえる。

次に、(b)のパターン``ABCD''についてみてみる。 学習回数100000回では、マークのある場所2箇所とない場所2箇所の計4箇所で高い出力が得られているが、発火はしていない。 これが500000回になると、マークのある場所と実験1で述べた酷似しているパターンで発火している。 そして1000000回になるとマークのある場所でしか発火していない。 実験1からみても、これは学習回数500000回の時点で確実とまではいかないがほとんど学習はできているとみても良いと思われる。

最後に、問題の(a)のパターン``EDCBA''についてみてみる。 まず学習回数100000回をみると、一つ目のマークでのみ発火している。 しかし、500000回になると発火しなくなってしまっている。 これは、学習の過程で発火が抑制されたと考えられる。 次に500000回についてみると、三つ目のマークのみ発火がみられる。 これは、次の1000000回でも発火していることより、誤りなく検出している可能性の方が高い。 1000000回についてみると、500000回同様三つ目のマークのみの発火だが、残りの二つも高い出力が得られている。 また、マークの部分以外での出力がほとんど認められないことから、かなり学習ができつつある状態だと考えられる。

全体的に見て、モデル1のときより学習回数は多く必要になったが、良い結果が得られるようになっている。 そこで次は、中間層のニューロンの数を変更して実験を行なった。



Deguchi Toshinori
1996年10月17日 (木) 12時31分30秒 JST