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第6章 結言

本研究では、 カオスニューラルネットワークに周期的なパターンを記憶させ、 特徴の比較による検索を行ない、 目的のパターンの検索が成功するか調べ検討した。 また、 カオスを制御するために、 シナプス前抑制を用いた。

検索させるパターンは、 奈良らが用いたものと同じ30の似顔絵パターンを用い、 30のパターンを6周期 tex2html_wrap_inline1211 5の周期記憶として用いた。

それぞれのパターンについて、 他のパターンと区別ができるような特徴を抽出し、 検索を行なった。 その結果、 パターンによって 検索が終了するまでの時間(スッテプ数)に違いはあるものの、 全てのパターンにおいて検索は成功した。

また、 特徴を選出する過程で、 反転パターンに収束してしまう場合が現れたため、 ネットワークに反転パターンを検出する機構を付け加え、 さらに検索を行なった。 その結果、そのままの特徴で検索を成功させることができた。 しかし、 本研究で用いた反転パターンを検出する方法では、 反転パターンでない場合でも、 誤って反転パターンであると認識して、 余計な検索時間がかかってしまうことがあるということも分かった。

また、 本研究では追求しなかったが、 反転パターンに収束させないようにする方法には、 反転パターンを検出するという動作を行なう以外に、 反転パターン自体をネットワークに想起させないように パターンを学習させるという方法がある。 しかし、 本研究で用いた相関学習法でそれを実現することはできないため、 実現には別のネットワークの構造を考える必要があるだろう。

謝辞

最後に本研究に対し 一年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝すると共に、 同研究室において助言をいただいた専攻科の浅川新也氏、山田博久氏、畑中誠氏、 共に学んだ廣瀬將丈氏、森田治彦氏に厚く御礼申し上げます。



Deguchi Toshinori
Thu Jul 13 09:01:14 JST 2000