ユーザ工学とは、マーケティング、品質管理と並んで、 製品の魅力を高めるための「使い勝手」を考えた製品開発という方法を 提供するものであり、メディア教育開発センター教授の 黒須正明氏が代表的提唱者である。
ユーザ工学は、実用的な受容可能性の中の 有用性(usefulness)を目標としている。 これは、日本語の「使い勝手」という言葉に対応するとされており、 この有用性(usefulness)の中に含まれている特性の内のひとつが ユーザビリティなのである。有用性(usefulness)を構成するもう1つの要素は ユーティリティであり、これは、製品の機能や性能に対応している。 これは、上記で紹介しているJakob Nielsen<博士の考え方が ベースになっている。 ユーザビリティは、操作性(取り扱いのしやすさ)、 認知性(分かりやすさ)、快適性(心地よさ)といった 下位概念が含まれている。
従来の製品開発は、 ユーティリティ重視になりがちだが、 人間中心設計の考え方の広まりや、製品の機能飽和、 IT化の流れがユーザビリティへの注目を高める要因になっている。
Jackob Nielsen博士や黒須教授が提唱しているユーザビリティの考え方は、ISO13407よりも狭い範囲になっていると考えられる。黒須教授は、最近行われた第9回ヒューマンインタフェース研究会「ユーザビリティ及び一般」において、ユーザビリティには、下記の3つの概念があるようだと仰っている。