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3.2 ニューロンのモデル

 

まず,モデル化を行うにあたり,神経細胞の機能について考える。 この神経細胞の機能には,次のことがあげられる。

これらの機能をすべてモデル化することは,あまり意味がなく, 何を目的として,どのようにモデル化するかということが重要である。 ここでは,もっとも基本的なモデルを取り上げる。 第 4 章では,これらを考慮し,サーチアクセスで用いる カオスニューロンのモデルの説明を行う。

ニューロンは多くのニューロンから入力を受けて一つの出力を出すことから, 多入力 1 出力の素子であると考えられる。 ニューロンは他のニューロンからの信号を受けとり, それを重み(荷重)つきの総和という形で総和し, その結果興奮するかを決める。 ここで重みというのは, 「他のニューロンの出力を, どの程度の割合で受けとってそのニューロンの入力とするか」 という割合を示す値である。 重みはニューロン間それぞれによって異なる値をとると考えられている。

ここで一つのニューロンが n 個のニューロンから入力を受けているとする。 i 個目のニューロンの出力を tex2html_wrap_inline2510 ( tex2html_wrap_inline2512 ), それぞれの重みを tex2html_wrap_inline2514 と表すと, もっとも単純には i 番目のニューロンからの入力は, tex2html_wrap_inline2518 と表される。 この重みはシナプス荷重とも呼ぶ。 今,簡単のために各細胞からの入力 tex2html_wrap_inline2518 が単純に加算されたものが そのニューロンの入力の総和になるとする。 そしてその総和がしきい値 tex2html_wrap_inline2522 を越えた時に, ニューロンが興奮するものと考える。 さらに軸索は減衰のないものと仮定する。 このようにして一つのニューロンの出力が決まるものと考えられる。

このニューロンの数理モデルは,図 3.2, 式 (3.1) のように表せる。

   figure142
図 3.2: 数理モデル

  equation149

ここで,この式の u を膜電位,もしくは内部ポテンシャルと呼ぶ。



Deguchi Toshinori
1998年03月12日 (木) 16時16分01秒 JST