カオスニューロン

カオスニューロンは, ニューロンモデルにカオスを導入したモデルである。 現実でのニューロンに見られる, カオス的な振る舞いをニューロンモデルで再現したモデルで, 合原らによって提唱された。[9] このモデルはMcCullochとPittsのニューロンモデルでは考慮されなかった, 一度興奮した後,一定期間興奮しなくなる, 興奮しにくくなるといった性質や, 時間とともに電気信号が減衰していく性質を再現している。 カオスニューロンモデルの式は以下のように表される。

$\displaystyle x(t + 1) = f[A(t) - \alpha \sum_{d=0}^t k^d g\{x(t - d)\} - \theta]$ (6)

$ x(t)$ 時刻$ t$ におけるニューロンの出力
$ A(t)$ 時刻$ t$ における外部入力の大きさ
$ \alpha$ 不応性に対する係数
$ k$ 不応性の時間減衰定数
$ g$ 軸索の伝達関数
不応性は, 一度興奮したニューロンは興奮後, 興奮しにくくなる現象を再現するために設定された性質である。 関数$ f$ は出力を一定範囲に制限する関数で, 以下のシグモイド関数を用いる。

$\displaystyle f(y) = \frac {1} {1 + \exp(\frac {-y} {\epsilon})}$ (7)

図 3.2: Sigmoid function( $ \epsilon = 1$ )
\includegraphics[height = 8.0cm]{graph6.eps}


Deguchi Lab. 2017年3月6日