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結論

本実験では、その特徴の中でも結合加重の分布のその統計量に注目して原因を考察した。

まず始めに様々な学習パターン数での結合加重の分布を調べた。 得られた分布より平均、標準偏差、分散、尖度、歪度を求め、 データの標準化を行った。

その結果、平均からは、学習が成功するとき平均値は0に近い正の数であることがわかり、 標準偏差からは、結合過重の増加率を抑えて、 標準偏差を適切な大きさにすることで学習成功率が上がる可能性があることがわかった。また、尖度と歪度からは、 学習が成功するとき、結合過重の分布が正規分布に近く左右対称であった方が学習成功率が高く、 偏るにしても尖っている、または右に裾が長いようにずれていることがわかった。 そして、結合荷重の標準化からは、結合荷重の絶対値の大きさが正負でバランスがとれていて、 あまり大きくなりすぎていないときに学習が成功している。そして、この特徴により学習成功率が上がるならば、相関学習の学習パターン数と同じ大きさの値になってしまう結合荷重を調節しなければいけないことがわかった。

以上の結果から、逐次学習がこれらの特徴を持つ分布を作り上げることで、学習能力を得ているのではないかと考えられる。 よって、これらの特徴を相関学習の結合荷重設定方法に活かしたり、 逐次学習の中から学習能力の上昇に必要のない部分をカットすることで よりよい学習方法が作り出せる可能性がある。

今後、結合荷重の統計について、特定のニューロンに注目することや、標準化後のデータの統計を取ることをしてみたり、 学習パターンと統計量の関係、より詳しい正規分布との比較を調べることで さらなる特徴が得られるのではないかと考えている。

謝辞
最後に本研究を進めるに当たり二年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生、田島孝治先生、山田博文先生に 深く感謝すると共に,同研究室において共に学んだ勝股翔太氏、小酒井巽氏、森下真敬氏に厚く御礼を申し上げます.



Deguchi Lab. 2013年2月28日