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ニューロン間の協調作用と競合作用[3]

ニューロン間のシナプス結合には興奮性と抑制性の二種類がある。

興奮性のシナプスは結合荷重$w_i$の値が正であるため、$u>0$となってニューロンに発火が起きると、そのニューロンから信号を受け取った他のニューロンにも発火が起き易くなる性質があることが式(2.1)から判る。 この性質をニューロン間の協調作用と呼ぶ。 また、抑制性のシナプスは$w_i<0$なので、ニューロンが発火すると他のニューロンの発火を抑える性質を示す。この性質をニューロン間の競合作用と呼ぶ。

一般に、多数のニューロンから成る相互結合型ネットワークにおいても、各シナプス結合の正負によって同様の効果が現れる。 ニューラルネットワークの情報処理過程においては、処理される情報を各ニューロンの興奮が担うため、ニューラルネットワーク上の興奮パターンが重要な意味を持つ。 従って、正のシナプス結合によってニューロン同士が共に興奮しようとする協調作用と、負のシナプス結合によって他のニューロンの興奮を抑えようとする競合作用が、ニューラルネットワークの並列情報処理の基本的なダイナミクスとなる。 [4]

協調作用は、相互に結合したニューロンの一つが、他のニューロンに自分と同じように興奮を促すものであり、競合作用は、他のニューロンに自分と逆の反応を示すように促すものであるといえる。



Deguchi Lab. 2013年2月28日